品質管理とは
会社や製造現場で多用される品質管理、通称QC。今日の事業活動では必須になっている概念です。その具体的な定義は年代によって異なってはいますが、筆者的に一番しっくり来ているのはJIS Z8101:1981の定義です。
品質管理とは買い手の要求にあった品物またはサービスを経済的に作り出すための手段の体系
それではここでいう品質とは何でしょう?
品質とは
日常生活で普通に使用される品質という言葉。ひとつのモノの指標として生活に根ざしています。さまざまな領域や業種で異なる考えがあると思いますが、JIS(日本工業規格)では、
対象本来に備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度
とされています。企画などでは市場調査などを行い、製品・サービスの具体的な特性を決めていくものでしょうが、製造現場では少し抽象的なのでよくQCD+PSMEを意識するようにと言われます。
- 品質(Quality)
- コスト(Cost)
- 納期(Delivery)
- 生産性(Productivity)
- 安全性(Safety)
- モラル・意欲・士気(Moral)
- 環境(Enviroment)
これでは品質が堂々巡りしていますね。しかしこれは作り手の表現であるので、ここでいう品質はあくまでも機械加工であれば寸法や面粗さ・不良率など生産物に対して具体的な数値が決まっているものを指しています。
そう捉えれば学問としてはより明確なものがありますが、上記のリストは一理塚としての役割を果たしていると思いませんか。
QCとカイゼン活動
品質管理とともによく聞く言葉にカイゼン活動・小集団活動・QCサークルがあります。これらは品質管理を実現するための現場サイドの活動のことを指します。厳密には小集団活動の種類としてカイゼン活動やQCサークルがあるイメージです。ここではカイゼン活動に統一し、話を進めます。
品質管理ではTQCと呼ばれる総合的品質管理の考えを元に様々な次元で品質管理を行うという思想で動くことが当たり前となっています。
カイゼン活動を行うことで目的意識の共有・品質管理技術の向上・生産物の品質向上が達成できるので大変重要な活動とされています。
個人的には品質管理は現場がカイゼン活動やってりゃいいと理解しているようにみえる経営者・管理部門もいましたが、現実的には現場のような下流部門が具体的なカイゼン活動をするためには上流部門の具体的な品質管理目標・信念がなければ、おざなりでその場しのぎの活動ばかりになってしまうのが実情だと思っています。
その結果、士気が下がり品質管理活動の失敗と呼ばれる不要なコストが発生することになりかねません。また品質要求はその都度、向上・変化していくので現状維持だけではジリ貧になることは避けられません。