執筆:EugeneAmnis
3つの表
筆者が社会人になりたての頃、製造業に就職したこともありカイゼン活動をを通常の業務と併用する必要がありました。右も左もわからないまま、早く戦力になりたいという若手ならではの思いから、手当たり次第に改善活動や一般にQCと呼ばれる品質管理の書籍を読み漁った時期がありました。
そんな中、今振り返ってもその時に知ってよかったと思う考え方があります。ひとつは報告はA4一枚にするというものです。この考え方はトヨタ関連の書籍で知ったように覚えていますが、限られたスペースで報告をするためには問題の本質を見たうえで必要な事柄のみを選ぶ能力を意識することやペース配分について理解するきっかけになったとおもっています。
もうひとつが3つの表の考え方です。
3つの表
これはホンダの品質管理教育の冊子で見た覚えがあるのですが、あまり定かではありません。ともかくこの考え方は製造現場で使用する表には以下の3種類があると説明したものでした。
- 記録用の表
- 解析用の表
- 報告用の表
この概念はまだ、Excelなどの表計算ソフトが現場や一つ上の管理部に登場する前の紙と鉛筆で品質管理を行っていた時代に書かれたものだったので少し古くさい感じもしましたが、表をシートと読み替えることでExcelなどの表計算ソフトでの運用でもかなり有用だと考えています。
よくExcelで問題になるのがどれがデータでどれが解析結果がわからないという点です。ネットでもデータ用のシートを作成しましょう。と呼びかけているサイトを見たことはありませんか?
当人がわかっていたとしても組織で運用するシートであれば、データの保持には血眼になる必要があります。解析方法はさまざまな理由で変更が予想されるのでごちゃまぜにするのはまずいです。
報告用のシートはExcelでよく発生する印刷問題を解決する重要な手段になります。印刷レイアウトを考慮したシートとそうでないシートでは雲泥の差が出るのは明白だからです。
勿論、厳密に適用とするあまりこの考え方が運用の足かせになるようでは本末転倒ですが、表計算作業をするうえでのひとつの指標になりうるでしょう。
真面目でしたね。あの頃は。