執筆:EugeneAmnis
カミの扱い
製造業では多くの検査表・記録表・チエックシートなどの記録を残します。現状は紙媒体である場合が多いと思いますが、皆さんの職場ではどのように保管・活用しているでしょうか。今回は紙媒体とデジタルの保管や活用方法について書いていきたいと思います。
法の支配下にあり。
書類で保管期間〇〇年と書かれたものを見たことがないでしょうか。書類の保管期間は基本、その書類に関係するステークホルダーによって決められることが大半ですが、いくつかの種類に該当する書類は法定保管書類と呼ばれ、原本を法で指定された期間保存する義務が発生します。多くは会計に関することなどですが、製造業では品質保証関連の書類類(多くは10年)も含まれています。
そのため、長く製造を行っている会社では書類の保管も頭を悩ませる問題になりがちです。基本的に以下のような段ボールメーカー様に社内用の書類保管段ボールを発注し、紐で冊子状にしたものを放り込んで別途で借りた倉庫などに置いておくという形になりがちです。
一部の経営者にとってはコストの塊としか見えないらしく、苦々しくその段ボールを眺めていた経営者の姿を若手の頃に見た覚えがあります。「ちゃんとしたものを流したのだから、もう十分だろう。」との思いもあったのでしょう。法を破るわけにもいかないので惰性で守っている経営者も多いのでしょうね。工場では土地代が一番高いとされているので、分かる感じもしなくはありません。
ただ、何かがあったときに身の潔癖を保証する重要な証拠であるのは間違いありません。発掘作業と解読作業が厄介ですが、保管管理をしていれば最悪な結果は防げると言えます。(反対の結果になりうる可能性もありますが。)
デジタルデータへ
過去のデータは何の役に立つのかを身を以て知った経験があります。かつて作業動線を調査した際にどの設備でその製品を加工したのかを遡って調べると生産数に決して小さくない差が見られました。量産時にはそんな稼働に差が見られないのにどうしてだろうと思っていると、段取りの際に工具・検具置き場から離れた設備ほど量産開始時間が遅くなっていることがわかりました。
つまり段取りに時間が掛かっているわけです。はっきり言って重い治具や刃具を交換・洗浄をする際に距離があると安全上の観点から移動に時間が掛かってしまうのでした。これは段取り者にも負担になるので、複数の段取りが重なった際は確実に短期間でできる近くの設備から始めようとする優先順位の発生に繋がります。
長い間、経験で把握していた問題点を具体的な事象として捉えることができた瞬間でした。そこで工具・検具置き場の配置・設置数を見直し、どの設備からも可能な限り均一な距離でアクセスできるように変更したところ、段取りの作業動線距離は減少しました。(厳密な効果確認は諸事情でできず・・・こういう変更は設備の大幅変更のついでに行われることが多いので変化点が多く判定が難しい)
しかし、発掘・解読作業は困難と時間が掛かりました。全部ではありませんが油の滲んだ鉛筆書きの書類から選別し、PCのExcelに落とし込む作業は苦行そのものでした。何より匂いがね、酷い。だって休日の自分の部屋でやっているんだもん。(当時はいろいろな意味で緩かった。許可は取っています。)
このように死蔵してしまう検査表もデータとして活用すれば、意外な発見に繋がります。それに今日のAIに読ませればより効果的な発見をしてくれる可能性もあるのです。だからこそデジタルに移行する時代に来ているのかもしれません。因みにデジタルデータでも同様の保管期間(10年)が必要と考えると法定用のバックアップの種類にDVDを入れてもいいかもしれません。丁度メディアの寿命がそれくらいなので、ときが来たら破棄して社内活用のデータのみを活かす。
汎用性の高いForMeを使うことでデジタル化もすぐに済みます。データの活用も手慣れたExcelで可能です。まずはお試しにいかかでしょうか。
先述した段ボールメーカーさんは今以下のようなものも作ってるようです。
猫は段ボールが好きですもんね。特に書類保存用の強い段ボールと個人資料のプリントとか。デジタルデータで残しといたから良かったもの喜び勇んでバリバリにしていた瞬間を見つけたときは血の気が引き、勢いをつけて頭に押し寄せていました。まぁ、少し怒って終わりでしたが。バックアップはホント必要だと肝に刻みつけた瞬間でもありました。
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